01工藤勇太」カテゴリーアーカイブ

第5夜 2人の怪盗

午前8時15分。  今日も新聞部は記事を書くのに精を出していた。  朝の刷りたての新聞のインクの匂いが充満した部屋で、工藤勇太はできたばかりの新聞を読んで少し目を見開く。 「予告状、来ていたんだ?」 「はい、来てましたが … 続きを読む

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第4夜 双樹の王子

午後4時15分。  新聞部にはあちこちから投書が送り込まれていた。 「海棠さんは二重人格である」 「海棠先輩は昔彼女がいたらしいが別れたのがトラウマらしい」 「海棠さんの趣味はチェロであり、ピアノとはまた別に趣味で弾いて … 続きを読む

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第3夜 舞踏会の夜に

午後3時20分。  新聞部は軽く舞踏会での打ち合わせをしてから、銘々の作業へと散って行った。 「ふっふっふっふっふ……」 「……どーうかしましたかあ、先輩」  先程から打ち合わせそっちのけで難しい顔をしていた工藤勇太が、 … 続きを読む

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徒労かは分からない

「はぁ~……」  工藤勇太は深く溜息を吐きながら、ぽてぽてと通学路を歩いていた。  考える事は3つ。  理事長って一体何なんだろうなあ……。前に冷や汗かきつつ逃げ帰った面接の事を思い出しつつ考え込む。  何でこっちが心を … 続きを読む

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第2夜 理事長館への訪問

午後3時10分。  本来なら生徒達はまだ授業中であり、その中うろうろしているのは大学部以上の生徒だろうが、どこにでも特例と言うものは存在する。  新聞部は、今日も手が真っ黒になるまで原稿を書いていた。  先日の怪盗騒ぎは … 続きを読む

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第1夜 時計塔にて舞い降りる怪盗

 午後10時54分。 「いたか!?」 「いや、まだ……」 「全く、新聞部の奴らは……」  夜。 本来なら生徒達はとっくの昔に下校し、早い生徒なら既に家や寮で就寝しているであろう時刻。  しかし、自警団は厳しくパトロールを … 続きを読む

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海の家【マドモアゼル・アクア】~虹色の扉~

1.  夏の太陽がギラギラと輝く。砂浜が熱い。水着からほっそりと伸びる白い足が眩しい。 「勇太君、ラーメンと焼きそばとおでんとフランクフルト。どれがいい?」 「‥‥一緒に行くよ」  SHIZUKUに無邪気に顔を覗き込まれ … 続きを読む

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とあるネットカフェの風景~分かれ道、けれど道は続く~

1.  4月。3度目の高校の春を迎えた。 「勇太、また同じクラスだな!」 「おう」  工藤・勇太(くどう・ゆうた)の前を、いつもと変わらぬ面子が通り過ぎていく。  いつもの風景だ。見慣れた平凡な日々。  部活は上級生にな … 続きを読む

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とあるネットカフェの風景~クリスマスにキミと~

1.  何度となくその扉を開く。  しかし、見まわしてみても今日も彼女の姿は見当たらなかった。 「忙しいのかな…」  がっかりした気持ちはあるものの、自分が来る時にいつだって彼女がいる訳じゃないことはわかっている。  約 … 続きを読む

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男子たるもの常に『執事』であれ

1. 「え? 今日鈴木、休みなの?」 「熱だして寝込んだらしいぜ」  学園祭の当日。クラスの出し物である執事喫茶の用意をしながら工藤勇太(くどう・ゆうた)はクラスメイトと雑談していた。 「あんなに楽しみにしてたのに…」 … 続きを読む

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