01工藤勇太」カテゴリーアーカイブ

転機・4

「『君』はそれを望むのかい」     それはある少年の呟き。 彼は自室ベッドにて腰を下ろし、その膝の上に『不完全』と評された黒髪の長い少女の頭を寄せる。少年――ミラーは己の緑の瞳に指先を這わせ、瞼の上 … 続きを読む

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転機・3

逃げられない過去。  逃げずに立ち向かう勇気。  浴びせられたのは自分にとって理不尽な言葉で、そこから湧き上がるのは胸の痛みを伴うほどの激情。  研究所の人間達から逃走しても無駄。諦めて彼らと共に施設に戻っても相手はきっ … 続きを読む

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転機・2

「振り向くな。そのまま聞きなさい」  何者かに背後を取られた俺はその言葉に動かそうとしていた身体を止めた。  危険反応として己の精神感応能力を発動させ、相手が一体どんな行動をするかすぐに知れるよう網を張る。ただしこれは一 … 続きを読む

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転機・1

こんにちは、俺、工藤 勇太(くどう ゆうた)! 十七歳の高校生男子です。  夏に行った旅行で今まで積み立てていた貯金を崩してしまったので冬休みにせめてその分だけは取り戻そうと俺はある宅廃業の倉庫の荷物整理のバイトを始めま … 続きを読む

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回帰・後日談3

「にゃにゃーん♪ 今日も今日とてチビ猫獣人、工藤 勇太(くどう ゆうた)様の登場にゃーん! ――と、言うわけで、こんにちはーにゃ!!」  ばーんっと勢い良くアンティーク調一軒屋の扉を開けば、そこにはいつものメンバーである … 続きを読む

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回帰・後日談2

「散々朔さんに指輪の件で弄られ続けた俺、工藤 勇太(くどう ゆうた)十七歳は、既にもうHPは0に近い状態です。げっそり」 「誰に向かって自己紹介をしているんだ、お前は」 「なんとなく」  【珈琲亭】Amberの面々から… … 続きを読む

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回帰・後日談

「たっだいまー!」  カランコロン、と鐘を鳴らしながら俺は地下一階に存在するとある喫茶店へと足を踏み入れた。そこの看板に書かれている文字は【珈琲亭】Amber。雑居ビル地下一階に存在するちょっと寂れた雰囲気を持つ店だ。だ … 続きを読む

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回帰・20

翌日。  九州地方を騒がしていた大雨は鬼八を倒し、瓊々杵尊(ににぎのみこと)の力により再び封印された事により収まったとあの狛犬の兄弟達から聞いた。俺はと言うとあの大雨の中傘も持たずに飛び出したと言う事で、散々カガミに弄ら … 続きを読む

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回帰・19

「――分かった、引き受ける」 「本当か!?」 「か!?」 「そもそも俺の我侭で深層エーテル界に行ったんだからカガミに罪被せられないし、それをチャラにしてくれるなら引き受けるから」 「それだったら見逃してやる!」 「やるぞ … 続きを読む

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回帰・18

カガミは言う。  「行かせたのは俺だ」と。  「文句があるならこいつの『案内人』である俺が対応するし、罰も受ける」と。  「お前達の領域を犯した罪は避けない」……そう、まるで自分一人が悪いのだと言うかのように彼は言い切っ … 続きを読む

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