01工藤勇太」カテゴリーアーカイブ

綻び結び2

―― 殺されたくないなら、殺して、こい。  遠くから頭に直接語りかけてくる誘いの言葉。  現在スガタ、カガミ、莚と共に武器を持った集落の人間達に囲まれた俺達四人は各々構えを取る。  人々の殺意は俺に一点集中で向けられ、そ … 続きを読む

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綻び結び1

「お前はどこから迷い込んだ馬鹿だ? こんな『異常』を持ち込みやがって」  甚兵衛を身に纏った彼――筵(むしろ)は相手を見ると共に辺りを漂う瘴気に顔を潜めた。  其処は東京の外れ、広がる森の霞の奥にひっそりと位置付く、大き … 続きを読む

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自覚編

「ねえ、次の日記はカガミの番?」 「ああ、俺だな」  此処は夢の世界。  暗闇の包まれた世界に二人きりで漂っているのは少年二人。そんな彼らの最近の楽しみは『交換日記』。だが、交換日記と言っても、各々好き勝手に書き連ねて発 … 続きを読む

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それでもさよならは言わない

「スガタん、カガミん。ちょっと重要な話があるんだよねん」 「そ~……なのー、せいざしてねー、ちゃんとねー、きいてー……」 「何、そんな真面目な顔をして。社ちゃんらしくないよ?」 「何、お前にそんな真面目な顔が出来たのかよ … 続きを読む

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三日月邸×花見×巻き込まれ騒動!?

「春ですねぇ」 「春だよなぁ」 「わがしぃー……!」 「いやー、今の季節には三色団子だよね~★」  スガタ、カガミ、三日月社、いよかんさんの三人と一匹はそう言いながら縁側でお茶を飲む。四人揃ってずずずーっと飲むと一気に心 … 続きを読む

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始まりの音6

 抜き足、差し足、忍び足。  例の一件の後、養生の為に眠っているカガミの部屋に姿を現したのは俺、工藤 勇太(くどう ゆうた)。普段は超能力高校生なんてやってるけど、ここ三日月邸ではチビ猫獣人として遊びに来る事が多々ある。 … 続きを読む

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始まりの音5

「新たな能力者だ! なんて素晴らしい!」  研究員が感極まって叫ぶ。  俺とは違う新たな能力者が見つかって嬉しいと全身で表現し、笑顔を浮かべていた。カガミすら標的に入れやがった初老の研究員を俺は睨み付ける。彼の前には能力 … 続きを読む

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始まりの音4

「俺はお前を写す<鏡>。さあ、この瞳を覗きお前の心の中で『俺』を確固たる存在として認めろ」  青年はそう口にした。  俺はその瞳を――黒と蒼のヘテロクロミアを見返して……そこに『過去の自分』が写り込んでいる事に涙を零した … 続きを読む

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始まりの音3

此処は病院。  『あの人』が入院している精神病棟。俺は笑う。笑ってなきゃやってられない。だって俺はパンドラの箱の奥に隠されていた『希望』を探さなきゃいけない。その為に逢いに来たんだ。その為にここに居るんだ。  今回の一件 … 続きを読む

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始まりの音2

『『<迷い子>、どうか、良い選択を』』  呆然とした俺の耳に入ってきたスガタとカガミの言葉。  しかし既に意識が白み始めていた俺の耳にはその言葉は重く、そして遠かった。必死に己の身体を支え、気を奮い立たせるので精一杯。カ … 続きを読む

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