「…帰るか…」
「…ですね…」
灰と化した吸血鬼の傍で絆創膏を取り合った二人は呆れた様に声をかけあった。
「それにしても、あの“鉄の少女”って技。なかなか破壊力高いな」
「でしょ!?」勇太が得意気に声を武彦へと返事を返す。「今日授業で出たんだけ
ど、響きが良くて思いついた!」
「だが、あれはあまり使えないな」武彦が煙草に火を点けて呟く。
「え!? 何でさ!」
「…“虚無の境界”との戦いの様に、能力者や人間にあれを使えば、お前は人を殺す
事になる」
「…あ…」
「お前の叔父さんやお袋さんが、それを望む訳ない。俺だってそうだがな」
「…草間さん…」
「それに、“アイツ”がお前がそんな事したって知ったら、お前どうするんだ?」武
彦がニヤリと笑って尋ねる。
「…あ、“アイツ”ってまさか…。草間さん、人は殺さないから! 変な事言ったり
しないでよ!?」
「ハッハッハ、お前がそんな事するとは思ってないが、な」
「からかったの!?」
「あぁ。ほら、帰るぞ」
「…まず人に使うなら草間さんから最初に…」
「り――」
「―わぁぁ! ちょちょちょ!」