01工藤勇太」カテゴリーアーカイブ

Sinfonia.44 ■ 宣言

睥睨し合う二人。  光と闇の力のぶつかり合いは激化の一途を辿り、両者の精神力を容赦なく貪り合うように削り合っていた。  上下する肩、片膝をついたまま睨みつける勇太と、そんな勇太に対し、腰を曲げるように立っている霧絵。   … 続きを読む

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Sinfonia.43 ■ 経験の差

「ふふふ、なんだか滑稽。どこにいるかも分からない私を見つけるなんて不可能なのに」  くすくすと嗤い声をあげながらあがく武彦の姿を見て、ヒミコは独りごちる。  能力『誰もいない街』はヒミコの作った独自の世界だ。  その法は … 続きを読む

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Sinfonia.42 ■ 運命に翻弄された者

――――激化する争い。  例えば争いを知らぬ者が見れば何が起こっているのかと疑いすら抱き、争いを知る者が見れば言葉を失い、常識が音を立てて崩れ落ちるような光景が、勇太と霧絵によって引き起こされていた。 「疾れッ!」  霧 … 続きを読む

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sinfonia.41 ■ 2人の少女のIdentity

――扉の向こう側から、戦いの音が聴こえて来る。  凛は磔とも呼べるような状態にありながらも、この切迫した状況を心のどこかで楽しんでいた。その理由は一つである。  勇太が自分を助けるシーン。  さながら、凛がまだ子供であっ … 続きを読む

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sinfonia.40 ■ 決戦―④

この世界には大別して3つの力が存在する。  IO2ではこれらを、正負の2種と人為の1種によって括り分けている。  まず〈正〉に当たるのは、一般的に神気と呼ばれる力だ。  清浄、静謐、正道、聖。ありとあらゆる〈せい〉を、日 … 続きを読む

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sinfonia.40 ■ 決戦―③

勇太と百合の二人が東京上空から東京駅内部へと潜入した、その数分後。  真っ暗な夜闇によって包まれた東京の街を、けたたましい音を立てて数台の車が闇を切って走っていく。  それらの車は四輪駆動型の少々角ばった印象を与える黒塗 … 続きを読む

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sinfonia.39 ■ 決戦―②

東京駅上空を、規則的な空気を叩きつける音が響き渡った。  眠らない街東京も、今では電力の供給も途絶えて真っ暗な闇が広がってすらいる。そんな闇の中にくっきりと姿を晒しているのが東京駅だ。  外観はさながら洋館を彷彿とさせる … 続きを読む

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sinfonia.38 ■ 決戦―①

「東京駅の内部を捜査してみましたが、それらしい場所は特に見当たりませんでした。引き続き捜索を続けますが、今のままでは時間ばかりが浪費されてしまう可能性があります」  萌の報告を聞いていた鬼鮫とその横に立っていた武彦は、目 … 続きを読む

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sinfonia.37 ■ 長い夜

「私はもしも勇太がアナタの凶行を止める為に私に向かって死ねと言うなら、それを受け入れるつもりです」  ――それが、信じるという事ですよ。  自分の眼を真っ直ぐと見つける、藍色がかった黒い双眸の持ち主に、霧絵は言葉を呑み込 … 続きを読む

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sinfonia.36 ■ 覚悟と決意

「――……ッ、ここ、は……?」  凛はゆっくりと瞼を押し上げ、周囲を見回した。  視界から得られた情報は、真っ暗な倉庫を彷彿とさせる奇妙な広い部屋であるということ。  身体は黒く蠢く実体のある靄によって縛り上げられ、足元 … 続きを読む

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