01工藤勇太」カテゴリーアーカイブ

回帰・7

今日も泊まると女将さんに告げ、俺とカガミは貰ったばかりの近辺地図を手に外へと歩き出す。  自分達は表向きは観光客なのだから、ここら辺の名物や名産品の話を聞きながら地図を貰った。だが実際の目的は役場と図書館で母に関する記録 … 続きを読む

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回帰・6

この旅館に来た次の日。  俺は朝御飯を食べた後、ふわりと旅館の屋根の上へとテレポートし風に当たっていた。とても身体が軽い。それだけじゃなく、今まで憑いていた何か――厄のようなものがさっぱり落ちたかのように自然と顔が前を向 … 続きを読む

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回帰5

それは工藤 勇太(くどう ゆうた)が生まれる前の話。  彼女と『案内人』であるスガタとカガミが出逢った頃の話。  カガミは今片膝を立てて座っている自分の隣、布団の中で眠っている少年の姿を見下ろしていた。格子窓から淡い光が … 続きを読む

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回帰・4

「あー……やっぱり新幹線でも時間掛かるかー」 「飛行機だったらもう少し早かったかもな」 「そっちの手も考えたけど、時期的に新幹線の方が安かったんだよ」  新幹線から降り、電車を乗り継いで高千穂までやってきた俺達。  さて … 続きを読む

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回帰・3

「落ち着いたか?」 「うん」 「じゃあ席に戻るぞ」  カガミに促され、俺は新幹線の自分の席に戻り母の事を考える。  窓枠に肘を付きながら窓をぼんやり見てもまだまだ目的地には遠い。  実は出発前、叔父になんとか話を合わせて … 続きを読む

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回帰・2

どうかあの時の貴女に幸せを。  どうかあの頃の彼にも幸せを。 「あ」 「すみません、大丈夫ですか? お怪我は有りませんでしたか?」 「……大丈夫。あなたは?」 「僕は平気ですよ。あ、お隣良いですか?」 「ええ……」  青 … 続きを読む

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回帰・1

東京駅での待ち合わせ。  俺がボストンバッグに沢山の衣服を突っ込んで待ち合わせの場所に着いた時にはもう青年の姿をしたカガミはデジタル広告がかけられた柱に寄りかかりながら、何か音楽を聴いていた。  小さなイヤホンを耳に掛け … 続きを読む

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カガミからの手紙2

【件名】無題 【差出人】――(かすれた名前は読めずに)  (数行の空白)  元・<迷い子>であるお前は自分を捉えていた鎖から解き放たれた。  ゆえに『案内人』との関係は絶たれ、全てはゼロの境界へと戻った。  別れを始まり … 続きを読む

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カガミからの手紙

【件名】ばーか(笑) 【差出人】カガミ  勇太へ。  何改めて手紙なんて……、本気でびっくりしただろうが!  んー、この間の話な。  お前の友人らに突っつかれていた時のアレはただの悪戯だ。  可愛い可愛い男の子(笑)でも … 続きを読む

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今宵、どんな夢を見る?・2

可愛い可愛い女の子とクリスマスにデート。  それは本当に彼女いない歴○年の俺にとっては願ってもいない事だけど――そんな『彼女』が普段は十二歳ほどの少年だって誰が信じてくれるでしょうか。  ああ、俺の頭がぐるぐると混乱して … 続きを読む

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