月別アーカイブ: 9月 2015

エメラルドの隻眼が見つめるもの

「良かったのか? 本当に」  車のハンドルを小刻みに転がしながら、その青年は訊いてきた。  黒いスーツに身を包んだ若者。瞳がエメラルドの如く緑色である事を除けば、何の変哲もない20代の日本人青年だ。  フェイト。それが彼 … 続きを読む

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再戦・吹雪の刃

空いている席は、いくらでもある。  だがその男は、店に入って来るなり迷う事なく、伊武木リョウの隣に腰を下ろした。 「1杯おごらせてもらいたいところなんだが、懐具合が寂しくてな」  くたびれた中年サラリーマン、にしか見えな … 続きを読む

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チーム・ディテクター

ダイヤル式の黒電話。今の子供たちが見たら何だかわからないだろう、とフェイトは思う。  部屋の隅では、奇妙な箱が、女性歌手の歌声を流している。手作りの鉱石ラジオである。  壁際に放置されたテレビは当然、地デジ非対応だ。   … 続きを読む

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清掃人たち

見覚えのある生き物だった。  太く不格好な四肢を伸ばし、一応は人間の体型をしている。  力士の如く肥満した、その巨体の、ある部分は獣毛を生やし、ある部分は鱗に覆われ、ある部分は甲殻状に固まっている。そんな全身から、百足の … 続きを読む

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異形の軍団を率いる者

「おお奈義さん。俺あんたの事、見直したよ」  A7研究室を訪れた奈義紘一郎を、伊武木リョウが嬉しそうに出迎えた。 「冷血漢を気取ってるくせに、優しい所あるんじゃないか」 「何の話だ」 「偉い人たちに、かけ合ってくれたんだ … 続きを読む

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生体兵器の休日

5年間、アメリカで暮らした。  だからと言って食生活が完全にアメリカナイズされてしまったわけではなく、焼き魚と味噌汁と白米ご飯がメニューにあれば、普通にそれを選んでしまう自分がここにいる。 「甘味と油の量が……冗談抜きで … 続きを読む

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尋問者たち

ゴミを相手に、会話をしている。傍目には、そのようにも見える。 「何も難しい質問をしているわけじゃあない。生きて帰りたいか、ここで死にたいか……それだけを訊いている。さあ、どうするね?」  穏やかな口調で、そんな事を言って … 続きを読む

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変装おじさんとお掃除お姉さん

もちろん兵器を輸出する事など出来ない。が、機械の部品を輸出する事は出来る。  輸入した側が、それらをどう組み立てて何に使うか。それに関する規制など、存在しない。  世界各地の戦場に、日本製品はすでに出回っている。  日本 … 続きを読む

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酒場にて

「やあ」  伊武木リョウが声をかけると、その男はビクッと立ち止まった。  肥り気味で俯き加減の、ある意味、絵に描いたような理系の青年。白衣と眼鏡が、まあ似合ってはいる。  研究施設内の廊下。今は、彼と伊武木しかいない。 … 続きを読む

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魔眼の兄妹

薪の爆ぜる音で、フェイトは目を覚ました。 「うっ……ん……」 うっすらと、目を開く。 ベッド、いやソファーの上だった。近くでは、暖炉の中で火が燃えている。 洒落た造りの、洋室である。 半ば毛布を被ったままフェイトは、ソフ … 続きを読む

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